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大阪地方裁判所 昭和63年(わ)454号 判決 1988年7月28日

本店所在地

大阪市南区玉屋町四六番地一 南大川ビル内

大紀興行株式会社

(右代表者代表取締役 大川静代)

本籍

和歌山県御坊市薗一六八番地

住居

兵庫県芦屋市山芦屋町一七番一九号

会社役員

大川静代

大正一二年三月一一日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官藤村輝子出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人大紀興行株式会社を罰金一七〇〇万円に、被告人大川静代を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人大川静代に対し、この裁判が確定した日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人大紀興行株式会社(以下、被告会社という。)は、大阪市南区玉屋町四六番地一所在の南大川ビル内に本店を置き、不動産の賃貸等を目的とする資本金四八〇〇万円の株式会社であり、被告人大川静代(以下、被告人という。)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て

第一  被告会社の昭和五八年二月一日から同五九年一月三一日までの事業年度における所得金額が七六一一万一七四六円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったにもかかわらず、家賃収入の一部を除外するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五九年三月三〇日、大阪市南区谷町七丁目五番二三号所在の所轄南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二九九六万三一七九円で、これに対する法人税額が一一六二万四四〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額三一〇〇万六六〇〇円と右申告税額との差額一九三八万二二〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)を免れ

第二  被告会社の昭和五九年二月一日から同六〇年一月三一日までの事業年度における所得金額が八三三六万五七四三円(別紙(二)修正損益計算書参照)あったにもかかわらず、前同様の不正の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同六〇年三月二八日、前記南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三二一六万九九四五円で、これに対する法人税額が一二九四万五一〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額三五一一万三〇〇〇円と右申告税額との差額二二一六万七九〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)を免れ

第三  被告会社の昭和六〇年二月一日から同六一年一月三一日までの事業年度における所得金額が九〇七四万二四七七円(別紙(三)修正損益計算書参照)あったにもかかわらず、前同様の不正の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同六一年三月三一日、前記南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二九八二万二七〇六円で、これに対する法人税額が一一九二万八九〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額三八三〇万七二〇〇円と右申告税額との差額二六三七万八三〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告会社代表者兼被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  被告人に対する収税官吏の質問てん末書二九通

一  被告人作成の確認書二通

一  大川安男の検察官に対する供述調書

一  大川安男(二通)、川崎康子(二通)、堀泰子及び山下保子に対する収税官吏の各質問てん末書

一  収税官吏作成の査察官調査書一九通(証拠番号8、9、11ないし14、16ないし23、26、27、30、31、37のもの)

一  被告会社代表者作成の証明書

一  笠谷修造作成の確認書三通

一  大阪法務局登記官認証の法人登記簿謄本

一  検察事務官作成の電話聴取書

判示第一の事実につき

一  収税官吏作成の査察官調査書三通(証拠番号10、25、32のもの)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(証拠番号1のもの)

一  南税務署長作成の証明書(証拠番号4のもの)

判示第二の事実につき

一  収税官吏作成の査察官調査書六通(証拠番号15、24、25、29、33、36のもの)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(証拠番号2のもの)

一  南税務署長作成の証明書(証拠番号5のもの)

判示第三の事実につき

一  収税官吏作成の査察官調査書九通(証拠番号15、24、27、28、32ないし36のもの)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(証拠番号3のもの)

一  南税務署長作成の証明書(証拠番号6のもの)

(法令の適用)

一  罰条

(一)  被告会社

いずれも法人税法一五九条一、二項、一六四条一項

(二)  被告人

いずれも法人税法一五九条一、二項

二  刑の選択

懲役刑(被告人)

三  併合罪の処理

(一)  被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

(二)  被告人

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)

四  刑の執行猶予

刑法二五条一項(被告人)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 白井万久)

別紙(一) 修正損益計算書

自 昭和58年2月1日

至 昭和59年1月31日

<省略>

別紙(二) 修正損益計算書

自 昭和59年2月1日

至 昭和60年1月31日

<省略>

別紙(三) 修正損益計算書

自 昭和60年2月1日

至 昭和61年1月31日

<省略>

別紙(四) 税額計算書

<省略>

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